2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

A. G. Cook / Britpop

チープなシンセ・リフやアルペジオを積み重ねた躁的なサウンドやウェットなメロディは、昔のμ-Ziqを猛烈にフラッシュバックさせる。間断だらけでなかなか素直にキックやスネアが入らない点や無駄に多いタム的要素等、結果として全く踊れないビート・メイキン…

Vampire Weekend / Only God Was Above Us

フィードバック・ノイズで始まる本作は、そのささくれ立った音像においてUKのポスト・パンク熱と呼応するようだ。M6の突如として耳を劈くようなブラスや、続くM7で突出して過剰な音量で鳴らされるロウなギターの音響に何処かで聴き覚えがあると思ったらDave …

Serpentwithfeet / Grip

エセリアルな雰囲気があった「Deacon」に較べてぐっとメランコリックになり、同時にちょっとダーティで官能的なムードを感じさせる。ジャケットが表す通り、前作を昼のアルバムだとするなら本作には濃厚に夜の匂いが漂っており、クィアのナイト・ライフがテ…

Kelly Moran / Moves In The Field

こんなに真っ当なピアノ作品だとは思ってもみなかった。勝手にKleinがポスト・クラシカルに接近した「Harmattan」みたいな作品を想像していたが、叙情的なメロディは未だ坂本龍一の方に近いように思える。但し比較的音数の少ない坂本龍一の演奏とは対照的に…

Kamasi Washington / Fearless Movement

「The Epic」「Heaven And Earth」でタイトルが示す通りの荘厳でスピリチュアルな世界観が表象されていたのと比較すると、本作の作風は少しカジュアルになったように感じられる。サウンド面では前作まで頻出していたストリングスが一切登場しない点が判り易…