2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Arca / Kick IIII

その名もクィア讃歌のM4はFKA TwigsやKelelaに通じるエレクトロニックR&B/モダン・トリップホップで、相対的にではあるが「Kick II」がグローバル・ビーツ、「Kick II」がIDMで、「Kick IIIII」がモダン・クラシカルな側面にそれぞれフォーカスした作品だと…

Moor Mother / Black Encyclopedia Of The Air

取り敢えずヒップホップにカテゴライズされている印象があるが、歌ではない声が主役の音楽であるという点くらいしかその共通点・妥当性を見出せない。確かに複数のラッパーがゲストに招かれているが然程存在感があるとは言えないし、Moor Motherの発声にラッ…

Arca / Kick II

前作で感じたArca第二章はやはり本物だった。形の定まらない突然変異体だったArcaがレゲトンやクンビアといったトライバルなビートや、変調されたスペイン語のヴォイス・チョップ/チャント/ラップといったアイデンティティを得て、一気にポップ&グロテスク…

Jon Hopkins / Music For Psychedelic Therapy

やはり益々Brian Enoをなぞるかのようだ。本人は本作に於けるその影響をきっぱりと否定していたが、タイトルからしてオマージュだとしか思えないし、完全に無視出来るという意味でこれがアンビエントでなければ何がアンビエントだと言うのか。もしも本人の言…

Badbadnotgood / Talk Memory

Arthur Verocaiのアレンジによるストリングスを大々的に採り入れたM3やM5がアルバムの重要なフックになっており、単なる話題作りの為のコラボレーション以上の充実した成果を挙げている。ストリングスの多用という点では少しFloating Points「Elaenia」を彷…

Arca / Kick IIIII

坂本龍一とのコラボレーション再びという事で、「Async」のリミックス盤に於ける、口にするのも憚られるような身の毛もよだつ日本語のリリックが半ばトラウマになっていただけに、一抹の不安が過ぎったが全くの杞憂だった。全編に渡り美しいメロディが横溢し…

Arca / Kick III

Arca自身がクラブ・ミュージックにフォーカスしたと語っているように、これまでで最もビート・メイキングの才能が爆発した作品だと言えるだろう。勿論頻繁にテンポは変わるわ瓦解するわで、ここでの「クラブ・ミュージック」は決してフロア向けのダンス・ミ…

Marissa Nadler / The Path Of The Clouds

Sacred Bonesからのリリースという先入観から、例えばGrouperみたいなエクスペリメンタルなフォークを期待していたが、蓋を開けると管弦楽器やハープによるオーケストラルなアレンジはあるものの、総合的には余りに普通のフォーク・ロックで拍子抜けした。印…