2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

The Mars Volta / The Mars Volta

初めて本作を聴いたのが、本当にたまたまSteely Danの本(「Reelin' In The Years」)を読んでいた正にその最中だったので、その変わりように尚更吃驚した。本人達の念頭にあったのはThe Style Councilだそうだが、変拍子もディストーションも皆無のブルー・…

Björk / Fossora

ガバと聞いてダンス・ミュージックを期待してしまった自分が甘かった。ダンス・フロアに戻ってユナイトを叫ぶ程Björkは真っ当な人ではない(良い意味で)。確かに嘗てなく激しいビートが全編に渡って展開されており、M1後半やタイトル曲のM12に於ける重厚感…

Alex G / God Save The Animals

名前から(Sandy)が取れて心機一転という事なのか、初のスタジオ録音らしいがこれが吉と出ているとは正面切っては言い切れない。ピッチ・シフターによる声の変調やリバース・ディレイは変わらず多様されているし、辛うじてM5はブレイクビーツ的ではあるものの…

Sampa The Great / As Above, So Below

どうやらパンデミック下の母国ザンビアへの帰郷が契機となったらしく、Sampa The Greatのアイデンティティであるアフリカ音楽の要素が満載の作品となった。全編を通じてアフリカン・ドラムやカリンバ、Fela Kutiを想起させるホーンといった音色が基調を成し…

Suede / Autofiction

最近Elasticaの1stを聴き返したら偉く良かったので、次はPulp「Different Class」を聴いてみたりして、要するに個人的にブリット・ポップ再評価が湧き起こっている。その流れでDamon Albarnの前のJustine Frischmannの恋人がBrett Andersonだったのを思い出…

Hudson Mohawke / Cry Sugar

代名詞とも言えるプリセットのようなシンセ音は相変わらずだが、Kanye Westのお株を奪うかのようなソウル/ゴスペルのヴォーカル・チョップや、寧ろRustieのイメージに近いアンセミックなシンセ・リフが満載で、「Butter」では聴かれなかった大仰なストリン…

Jockstrap / I Love You Jennifer B

冒頭ではSharon Van EttenかGirlpoolのようなフォーク・ロックとシンセ・ポップの間の子かと思わせておきながら、更にはEDMやハイパー・ポップ、チェンバー・ポップをも掛け合わせたような音楽で、エクレクティックを極めている。或いはLana Del Reyのサッド…

Sault / Air

シンフォニックな要素はLittle Simz「Sometimes I Might Be Introvert」を特徴付けていた(M6の冒頭は同作のオープニングと酷似している)事もあり、それ自体は驚く程の事ではないが、幾らEP的な位置付けとは言え全編に渡ってビートレスで、最早真正の交響楽…