2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Sault / Nine

「Untitled (Rise)」「Untitled (Black Is)」の興奮冷めやらぬ内の矢継ぎ早のリリースは、両作と比較するとややビート・ミュージック的な色合いが濃く、M2は(昔の)Ninja Tune辺りからリリースされたとしても違和感が無さそうなアフロ・ブレイクスである、…

Bobby Gillespie And Jehnny Beth / Utopian Ashes

バラード主体という点や、M3のアーシーなブラスやM4のカントリー・ロック調が全盛期のThe Rolling Stonesを彷彿とさせるという点で、「Give Out But Don't Give Up」が比較対象に挙がるのも解らなくはないが、「Rocks」のようなギター・ドリヴンな曲は全く無…

H.E.R. / Back Of My Mind

転がるようなハットが一見有りがちなトラップ・ベースのコンテンポラリーR&Bのようにも思われるM1だが、良く良く聴けばドラム・ビートは変則的で、エコー&リヴァーブ塗れのハイピッチなヴォイス・ループとシンバルの残響がなかなかにサイケデリックな音像を…

Dave / We're All Alone In This Together

ピアノや管弦楽器中心の上音はメランコリック且つシアトリカルで、M1の物悲しさに至っては今にも母さんが夜鍋を始めそうな程だ。KanoやGhettsの系譜に連なるリリカル系グライムに分類出来そうではあるものの、Stormzyを迎えたUKガラージのビートを採用したM3…

Loraine James / Reflection

Prefuse 73を思い起こさせるM1にはトラップ時代のグリッチホップといった趣がある。M2もグリッチーな音色こそ無いが、複雑なビートが全盛期のAutechreやRichard Devineを彷彿させるエレクトロニカで猛烈に格好良い。ジャケットにも何処かChris Cunninghamっ…

Darkside / Spiral

「Cenizas」の観念がソング・ストラクチャという実体に乗り移ったかのようなサウンドで、これといったキラー・チューンがある訳ではないにせよ要するにとてもポップ。(あくまでも最近のNicolas Jaarの作品の中では、という話だが。)特にDave Harringtonに…

Vince Staples / Vince Staples

グライムやバブルガム・ベースの影響下にあった「Big Fish Theory」に較べると随分シンプルで地味な印象を受ける。上音は殆ど単一の音色で構成されており音数も少ないし、唯一女性ヴォーカルをフィーチャーしたM7を除いてゲストは皆無で、全編に渡りVince St…

Dean Blunt / Black Metal 2

タイトル通り2014年のソロ作の続編であるが、前作に辛うじてあったエレクトロニック・ミュージックの残滓は最早跡形も無くなり、ローファイ臭も希薄になって、まるでJohn Caleの作品のようなアート・ロックが展開されている。要するに随分ちゃんとしていて、…