2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧
微細に蠢くグリッチノイズに地鳴りのようなウォブルベースとコントロールを失ったサインウェイヴが重なったかと思えば、更には浮遊感のあるシンセに侵食されるM1は、間違いなく2014年最高の導入部の一つ。単調なビートに電子ノイズのループとレイジーな呟き…
不定形な展開に、ファットで隙間の多いビートや色彩豊かなシンセ等にはHudson MohawkeやRustieに近い感触があるが、彼等のサウンドとは異なりスラップスティックさは希薄で、憂いを帯びた金属音、或いは泣き咽ぶ怪獣の鳴き声のような電子ノイズには、隅々に…
チル&Bなんて言葉が生温く感じられるほどのこの酔いどれ振り。 埃を被ったソウルやR&Bのサンプルに、ヒップホップ由来の太いキックドラム、Matthewdavid本人による流暢なラップや巧みなヴォーカル、それらの音楽的な要素が過剰なエコーやリヴァーブによって…
荘厳なストリングスや如何にもBeckらしいアコースティック・ギターのコード進行、ヴィブラフォン等の音色は正に「Sea Change」そのもので、6年振りの新作に相応しい刺激は一切無い。 ヴォーカルへのオーバーダブやエコー処理がやや強めで、使用される楽器の…
坂本慎太郎がそのキャリアを通じて、ここまで「日本」や「社会」に言及した事はなかった。 嘗て「空洞です」と歌った男が「それはいる」と歌わざるを得ないほど、この国の現状は深刻だという事だろう。けれどもスリリングな言葉にのみ耳を傾けているとこの作…