2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Kid Cudi / Man On the Moon III: The Chosen

今やエモラップの先駆者として扱われる事も多いKid Cudiだが、声のトーンのせいなのか、確かに滲み出す内省性や抒情性があり、凡百の単なるマンブル・ラッパーとは一線を画す貫禄がある。個々のトラックは没個性な感じもするものの、ポップネスでは突出して…

Sons Of Kemet / Black To The Future

勝手にアフロ・キューバン的なサウンドを想像していたが、イメージに近かったのはホーンのユニゾンがラテンジャズ風のM3とM6くらいで、そのスタイルはもっと幅広い。フリージャズ的、と言うのは流石に言い過ぎだが、アブストラクトな演奏に扇情的なスポーク…

Sault / Untitled (Rise)

単に優雅だとか流麗だとか荘厳だとか言うのとは違う、些か大仰なストリングスが醸し出すM1の異物感はLittle Simz「Offence」と同質のもので、スムース・ソウル、ジャズ・ファンク、アフリカン・パーカッションのアンサンブルにブギーファンク等の要素が、次…

Leon Vynehall / Rare, Forever

決してフロア向けという感じはしないが、殊更エクスペリメンタルな訳でもなく、寧ろ最良のブレイクだけを引き延ばして寄せ集めたかのような感覚がある。解り易いアッパーさは無く、確かに2010年代以降のテクノに顕著なアンチ・クライマックス性があるが、決…

Cabaret Voltaire / Shadow Of Fear

一言で言えばFactory Floorの親のようなサウンド。インダストリアルのゴッドファーザーなのだから当たり前ではあるのだが、余りにもダンサブルなのには驚いた。M3なんかはテクノ以外の何物でもなく、Richard D JamesのCaustic Window名義の作品なんかが思い…

The Cribs / Night Network

兄弟バンドらしく、The Beach Boys風の甘ったるいハーモニーが売りではあるのだろうが、上手いとはお世辞にも思えない。他には申し訳程度のファズ・ギターで歪ませただけで何の変哲も無いポップス。何もポップスが悪い訳では全くないが、その語が想起させる…