2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Kendrick Lamar / Untitled Unmastered.

冒頭のウッドベースにスポークンワード、全編を彩るピアノやサックスの音色は「To Pimp A Butterfly」との連続性を確信させるに充分だし、クレジットに記載は無いがM5のエレクトリック・ベースはThundercatによるものだとしか思えない。 同時期に録音された…

Mala / Mirrors

先ず前作をも凌駕するリズムの多様性に唸らされる。 M1やM3こそオリジナル・ダブステップ・マナーの1/4のビートだが、M2のシンコペートするパーカッションとサブベースが織り成すポリリズムや、M4の旧来のエレクトロニック・ミュージックにはなかなか無い変…

Anohni / Hopelessness

本作はAntony Hegartyのバロック・ポップとエレクトロニック・ミュージックの遭遇であると同時に、Daniel LopatinとHudson Mohawkeの出会いとしても興味深い。 クレジット上2人の連名は2曲しかないが、実際にはプロデューサーがLopatin名義のトラックでもHud…

Tim Hecker / Love Streams

持続と反復を基調とした初期OPNやEmeraldsの音楽とは異なりエレクトロ・アコースティック的なランダムネスがあり、強烈なグリッチ等のノイズの存在感とアタックや残響への細やかな加工の痕跡からは音響に対する相当な執念を感じさせる。 音そのものがこれほ…

Brian Eno / The Ship

Aphex Twin「Selected Ambient Works Volume II」に出会った頃には自分がこれほど頻繁なアンビエントのリスナーになるとは考えてもみなかった。 エレクトロニカの時代にはFennesz等の「Editions」が付く前のMegoのリリースやMouse On Mars周辺のOval等による…

Matmos / Ultimate Care II

注水の音に続く、まるでアフリカン・パーカッションのアンサンブルか一時期のBoredomsようなトライバルなビートは間違いなく洗いの工程を、それに続くアブストラクトな電子音響は排水の工程を表現したもので、以降もアルバムは洗濯機の工程を忠実に再現し続…