2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Cloud Nothings / The Shadow I Remember

冒頭ピアノの音色に、また似たようなアメリカン・インディ・ロックかと思ったが、紛れも無くSteve Albiniによる目の粗い乾き切ったギター・サウンドと、M1の後半で急に前のめりで進み始めるドラムに、懐かしく狂おしく泣きたくなるような感情が呼び覚まされ…

Lil Uzi Vert / Eternal Atake

冒頭のチージーなシンセ・リフ主体のバックトラックは退屈で、メロディを歌うラップのスタイルには流石にもううんざりとさせられるが、それでもしっかりとした抑揚がありこれだけファストなフロウというのはそれなりに凄味もあるし、FutureやYoung Thugの二…

Nicolas Jaar / Cenizas

第一印象はとにかく地味。一定のリズムにメロディと歌があり、一応ポップ・ソングの形態を纏っているが、折衷主義は少なくとも表面上は抑制され、ポスト・クラシカルに接近したような印象を受ける。鍵盤楽器を中心としたコンポジションもあり、ムードとして…

Slowthai / Tyron

想像を遥かに超えるスピードで過去のものとなったダブステップに較べて、グライムは実にしぶとく生き残り、見事に世代交代を果たしたものだと思う。現在のスターダムの筆頭は勿論StormzyとSteptaだろうが、実はWileyやDizzee Rascal等オリジネーター世代との…

Headie One / Edna

何処か未熟さを残したJay-Zみたいな声色自体は、例えばSlowthaiなんかと較べてしまうと魅力に乏しいし、余りラップが巧いとも思えない。最近ではHeadie Oneに限った話ではないが、特にアルバム前半に顕著な歌うようなメロディアスなラップはもう流石に食傷気…

Paul McCartney / McCartney III

ロックンロール以前のルーツ・ミュージックを伴奏にして老いに寄り添うようなBob Dylan「 Rough And Rowdy Ways」と較べると確かに若々しいとは言えるかも知れない。とは言え老人が作った音楽だからと言って、若さだけで称賛するのは作り手に対して失礼極ま…