2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Billy Woods And Kenny Segal / Maps

上音を構成する音色はジャジーなものが多いが、同時に至ってアブストラクトで、所謂ジャズ・ヒップホップと聞いて想像する類のポップなサウンドではまるでない。M5のフリー・ジャズのサンプル使いと言い、Armand Hammer「We Buy Diabetic Test Strips」同様…

Tirzah / Trip9love...???

曲単位ではメロディックで明確なソング・ストラクチャがあり、一体どうしたのかと思うくらいポップ。と言ってもあくまでTirzahにしては、という前提ありきの話であって、決してセルアウトと言う程のキャッチーさがある訳ではないし、ヴォーカルはワン・フレ…

Amaarae / Fountain Baby

例えばドラムンベースや、もしかするとダブステップやトラップもそうかも知れないが、ある音楽のスタイルそれ自体にある種の発明のような革新性や強度がある場合には、それを採用、或いは援用しているというだけでも一定の期間は何となく楽しめてしまうとい…

Armand Hammer / We Buy Diabetic Test Strips

2023年は先ずEarl Sweatshirtが、次いでDanny BrownやJpegmafia等が10年を掛けて切り開いてきた新時代のオルタナティヴ・ヒップホップが遂に百花繚乱に咲き誇った感あったが、その中でも特にBilly Woodsは主役級の存在感を放っていた。世間的にはKenny Segal…

Laurel Halo / Atlas

個人的にLaurel Haloにはトリックスターというか、ストラテジスト的なイメージがあり、決して奇を衒っているというような事ではないのだが、そのサウンドには純粋な音楽的好奇心の発露という以上の、何かコンセプチュアル・アート的な思考の存在を感じてきた…

Troye Sivan / Something To Give Each Other

M1は少しBasement Jaxxを彷彿とさせる享楽的で猥雑なラテン・ハウス風だが、この手の能天気なダンス・ポップにすっかり耐性が付いてしまったのか、意外な事に拒否反応は全く起こらない。今ならCarly Rae Jepsenなんかもすんなりと聴けてしまうかも知れない。…

Sufjan Stevens / Javelin

M1こそパーカッシヴで重量感のあるブレイク・ビーツ的で賑やかなビートが前作「The Ascension」との連続性を感じさせるが、以降の楽曲はアコースティックな音色を基調としている。Sufjan Stevens名義のフォーク・サイドの作品としては2015年の「Carrie & Low…