2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

Bonobo / Fragments

スピリチュアル・ジャズ的な楽曲を多く含んでいた前作に較べてよりストレートなハウス/ダンス・トラックの存在感が強く、レーベルメイトでもあるBicepやDisclosureにも通じるような機能性がある。M11のピッチを落としたドラムンベースみたいなビートやアナ…

Young Thug / Punk

元よりYoung ThugにはFutureと共に現在のシンギング・ラップの隆盛を作った張本人という印象があるが、ここまでポップ・ラップの波に呑み込まれてしまっているとは。ギターの存在感が強いトラック群はLil Nas Xにも近く、ヒップホップが人種を超えて真に大衆…

Japanese Breakfast / Jubilee

宛らポップのショーケースのようなアルバムだ。M1はJulia Holter「Have You In My Wilderness」のインテリジェンスを薄めたような(と言っても決して頭が悪そうという意味ではないが)チェンバー・ポップで、M2は直球のディスコ調。M4のシンセ・ポップのギタ…

Lana Del Rey / Blue Banisters

ブルーグラスやヒルビリーを想起させるM3やM6のホーン・アレンジや、フリー・ジャズのインプロヴィゼーションのようなM5のドラミング等、ジャズ・ヴォーカル・アルバム云々といった評価が全く解らない訳ではないが、アメリカーナ的な意匠の導入は今に始まっ…

Nala Sinephro / Space 1.8

冒頭から柔らかなモジュラー・シンセの音色に一瞬で引き込まれる。その上で自由闊達に歌うような鳥の囀りとハープはまるでユートピアを描写するかのようだ。ハープの旋律は少しエスニックな感覚も惹起し、笙にも似たシンセの響きと合わさってスピリチュアル…

Joy Orbison / Still Slipping Vol. 1

正真正銘ポスト・ダブステップ最後の大物による10年越しの遅過ぎるファースト・アルバム。M3はBurial「South London Boroughs」を思わせるバウンシーな2ステップで、猛烈な懐かしさに包まれる一方で、今聴いても機能的であると同時に素晴らしくスタイリッシ…

Squid / Bright Green Field

このタイミングでのUKのポスト・パンク・リヴァイヴァルというのには些か唐突な感もあって少しばかり懐疑的なところもあったが、良し悪しはさて置き猛烈にMark StewartやMark E. Smithを連想させるM2のヴォーカルは紛れも無くポスト・パンクとしか呼びようが…