2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Young Fathers / Heavy Heavy

以前からそうだがラップらしいラップは愈々完全に消滅し、最早全くヒップホップではない。M1冒頭の呪術的でヒプノティックなグルーヴは少しCanを彷彿とさせるし、祝祭的なM3等はAnimal CollectiveやDan Deaconなんかにも近く、M4のシンセ・レイヤーにも確か…

Kali Uchis / Red Moon In Venus

相変わらず気怠く心地良くレイドバックしてはいるが、未だ60’s〜70’sのソウル風と言えそうなのはM6くらいなもので、「Isolation」の特徴であったレトロな感覚は薄まった。ソウルとラヴァーズ・ロックを混ぜたようなM4みたいな曲もあるにはあるが、カリブ音楽…

Caroline Polachek / Desire, I Want To Turn Into You

M1の野暮ったい(と言ってもあくまで中年の耳が基準であって、今の若者にはまた違った聴こえ方をするかも知れないが)シンセ・ギターが醸し出す明け透けな80’sテイストには、The Weeknd「Dawn FM」と共通する感覚があり、もしやまたもやOPMが関与しているの…

Fucked Up / One Day

タイトルは僅か一日で録音された事に由来しているらしく、確かに前作では若干鼻に付く感じのあったポスト・プロダクションの影は薄れた。ミックスも幾分ダイナミックでラフになった印象があり、手を加え過ぎて些か小綺麗に纏まり過ぎた感のあった前作に較べ…

Father John Misty / Chloë And The Next 20th Century

ビバップ以前の未だポップスと分化する前の時代のジャズやワルツがベースになっており、「I Love You, Honeybear」には未だあったインディ/オルタナティヴ・フォーク的意匠は益々薄れ、最早純然たるオールディーズとか、真の意味でのラウンジ・ミュージック…

Belle And Sebastian / Late Developers

オープニングを飾る素のままのロウなトーンのエレクトリック・ギターの弾き語りには、Belle And Sebastianにしては意外なローファイ感が漂っている。エレクトリック・ギターの存在感はM2でも続き、本質的には彼等がロック・バンドである事を再認識させられる…

Kelela / Raven

Arcaが関与した割にポップで驚かされた前作は、今にして思えばArcaがそれまで出し惜しみしていたポップ・センスを開け放つきっかけになった作品だったのかも知れない。それはさて置き、本作にはArcaは疎かJam CityやKingdom等のNight Slugsクルーも関与して…