2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Against All Logic / 2017 - 2019

M1はTom Tom Clubのハウス・ミュージック解釈といった感じで面白い。成程Nicolas Jaarは自らのクラシカルの素養とハウス・ミュージック・プロデューサーとしてのキャリアを名義によって明確に分ける事にしたのかと、今更ながら納得する。と言っても勿論決し…

St. Vincent / Daddy's Home

ファンクがアルバムの基調になっているところはTune-Yards「Sketchy.」と共振するようで、M3のSt. Vincentにしては珍しいスクリームなんかもまるでMerrill Garbusを見倣ったかのようだ。尤もベースとドラムのみでタイトなファンクネスを聴かせていた「Sketch…

AJ Tracey / Flu Game

Wileyを少し若々しくスマートにした感じの声質で、ジャスト・タイミングで細かくリズムを刻む切れの良いのファスト・フロウは快楽指数が高い。ラップ自体にメロディの要素は希薄で、Headie Oneよりも硬派でSlowthaiよりもずっとグライムの伝統に忠実な印象を…

Lana Del Rey / Chemtrails Over The Country Club

M6は未だトリップ・ホップ的と言えなくもないが、全般的にブラシや微細なパーカッションがテンポ・キープする曲が多く、スネア・ドラムの存在感は薄い。人が言う程にはアメリカーナの印象は強くはないが、確実にフォーク化しているとは言え、どんどんと近年…

Dinosaur Jr / Sweep It Into Space

キャッチーなM1やM6は、Murphがポップでフレンドリーと評した前作を踏襲している。(前作と同じくLou Barlow作の曲もきっちり2曲で、何か契約でも結んでいるのだろかと訝しんでしまう。)M7のアコースティック・ギターとディストーションのコンビネーション…

Godspeed You! Black Emperor / G_d's Pee At State's End!

当時は兎角暗黒だとかいった接頭辞を冠されがちだったと記憶しているが、M4終盤の美しくセンチメンタルで、寧ろ後には希望しか残らないような旋律には、まるでそのような形容は似つかわしくない。(勿論全くの偶然だろうが、Oneohtrix Point Never「Good Tim…