2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Deerhoof / Deerhoof Vs. Evil

00年代の終わりから現在に至る数年間はどうも久方振りのアメリカン・インディ・ロックの時代という事らしいが、その在り方は昔と較べると随分様変わりしたものだと思う。 90年代のグランジ・ブームに端を発するインディ・ロックの流行は「オルタナティヴ」と…

Emeralds / Does It Look Like I'm Here?

本作のイントロを聴いてある人はロールプレイングのゲーム音楽みたいだと漏らしたが、自分が想起したのはやはりTangerine Dreamのようなコズミック・サウンドだった。 2009年のMetamorphoseでTangerine Dreamを観た際の感想は率直に「何かダサい」というもの…

Joanna Newsom / Have One On Me

新しい音楽に殆ど興味が湧かなかった00年代の中頃に、偶然耳に触れ即座に惹かれた作品が二つだけあった。 一つはAnimal Collectiveの「Feels」、そしてもう一枚がJoanna Newsomの1stで、後者はとある洋服屋で耳にして、そのハープの響きとロリータ・ヴォイス…

Simon Reynolds / Rip It Up And Start Again : Postpunk 1978-1984

自分がポップ・ミュージックに纏わる特殊で些か閉鎖的な文化圏に帰属意識を覚え始めたのは、多分まだグランジ・ブームの余韻冷めきらぬ1994年の事で、音楽専門チャンネルはKurt Cobainに関するやや陰惨なニュースに加えて、Dinosaur Jr.の「Feel The Pain」…

Oorutaichi / Cosmic Coco, Singing For A Billion Imu’s Hearty Pi

00年代のブルックリンに現れた所謂Boredomsチルドレンと呼ばれた一派の中で、Black Diceは「Super Roots」シリーズの実験性を踏襲するようだったし、Gang Gang Danceに「Super Are」以降のトライバリズムやシャーマニックな表現を見出す事は然程難しくはない…

James Blake / James Blake

振り返ってみると、ポスト・ダブステップにおけるR&Bの台頭は2009年のHyperdubのコンピレーションに既に顕在化していて、BurialやKevin MartinによるKing Midas Sound、更には後続のJokerなどのトラックにもその要素を聴き取る事が出来た。 James Blake待望…

Sleigh Bells / Treats

一聴して先ずM.I.A.「Maya」との類似に驚いた。 ラストナンバーのギターをサンプリングした「Meds And Feds」のみならず、作品を覆う過剰な音圧のキックまでがSleigh Bellsの影響だったとは。 一体このサウンドの何が、00年代を代表するポップ・アイコンにそ…

Planet-Mu / Bangs & Works Vol.1 A Chicago Footwork Compilation

もう何処で耳にしたのかも忘れてしまった(山本精一の著書だと思って読み返したが勘違いだった…)が、この世界の何処かにマイナーコードが楽しく聴こえる部族が居るという話を聞いた記憶があって、それを思い出す度に何だか勇気付けられる思いがする。 真偽…

Seefeel / Seefeel

Boredomsの最盛期を支えたドラマーの一人であるE-daが、このWarp古参のアンビエント・バンドに加入したというニュースには驚いたが、余りに退屈で直ぐに売ってしまったソロアルバムでのアンビエントには、確かにSeefeelのサウンドと通じる部分があったような…