2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

Floating Points / Elaenia

2015年は嘗てポスト・ダブステップと呼ばれたシーンにとって総仕上げの年となった。 フルレングスを待望され続けた3人 - Untold(これは2014年だが)、Pearson Sound、そしてFloating Points - が方向性は三者三様なれど、いずれもガラージからもベース・ミ…

Deerhunter / Fading Frontier

トラッシーだった「Monomania」の反動か、一転して穏やかで、彼等が初期から標榜してきた「アンビエント・パンク」なるコンセプトからパンクの要素を抜き取ったよう。 それは「Halcyon Digest」に於けるThe Velvet Underground志向とも違い、まるで死を希求…

Jim O'Rourke / Simple Songs

単にクリアや重厚とか言うのとは違う、これまでになかった音響の妙な軽さに先ずは引っ掛かる。 M2のハイパスフィルターを通してボトムを捨象したようなファズ・ギターに顕著な、中高音域に焦点が当たった音像は、昨今の低音域偏重へのアンチテーゼのようにも…

Dr. Dre / Compton

2015年はブラック・ミュージック、もっと言えばジャズと西海岸の年だった。 その中心には間違いなくL.A.出身の2人のビートメイカーとラッパー − Flying LotusとKendrick Lamar − の交流があり、2人に掛かればThundercatやKamasi WashingtonとSnoop Dogがいと…

Planet Mu / μ20

4年前の「14 Tracks From Planet Mu」に顕著だったシンセ/チルウェイヴとジュークの台頭に加えて、本作では先ずインダストリアルからの影響とブレイクコアの復活に耳が行く。 シンセ熱が発展した結果、アンビエント/ドローン色の濃いトラックが増えている…