2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Kylie Minogue / Tension

まさか自分がKylie Minogueのアルバムに手を伸ばす事になるとは思いも寄らなかったし、当然これまでにその声を意識して聴く機会等無かった訳だが、Grimesと聴き紛う程の55歳だとは俄かには信じられないその若々しさに吃驚させられる。当然相当に補正されて…

Mitski / The Land Is Inhospitable And So Are We

前作「Laurel Hell」に於ける80’sマナーのポップ路線とは打って変わって、フォークやアメリカーナに舵を切った作品と言って差し支え無いだろう。評価の高さはリリックに多くを依っているようではあるが、やはりアメリカーナには欧米人の心を擽る何かがあるの…

Romy / Mid Air

ギターという楽器のイメージでしかないが、勝手にThe XXのインディ・ロックの要素はRomyが源泉だとばかり思い込んでいた。それだけに彼女がギターを排し、徹底して4/4のビートのストレートなハウス/ダンス・ポップに取り組んだ、しかもそれがOliver Simはお…

Róisín Murphy / Hit Parade

ファンキーな前作に大いに魅了されただけに、冒頭のトリップ・ホップ風の慎重な入り方に一瞬不安を覚えたが、すぐにDJ Koze特有の空間が歪曲するようなベース・ラインがインサートされ、途端に安堵感を覚える。「Róisín Machine」の強烈なファンク臭は薄れた…

Dinner Party / Enigmatic Society

幽玄で抒情的なRobert Glasperのピアノに静かに熱を帯びたKamasi Washingtonのテナー・サックスが絡むM1が先ずは白眉。ノンビートでTerrace Martinと9th Wonderは蚊帳の外なだけに、アルバムの中では少し特殊な立ち位置のイントロ的な楽曲だが、この1曲に留…

Sleaford Mods / UK Grim

M1の寒々しいエレクトロ・パンク/インダストリアルからは、前作「Spare Ribs」が彼等にしては比較的ポップな作品であったというのが良く解る。全編を通じてメロディ要素は皆無とまでは言わないものの極めて稀薄で、その冗長さは確かにCabaret VoltaireやThr…

James Blake / Playing Robots Into Heaven

原点回帰に諸手を挙げて燥ぐのはどうも不粋な感じがしてしまってつい躊躇してしまうが、M4やM7等のBurial直系のゴーストリーなガラージやピッチ・シフトで変調されたヴォーカル・チョップといった、James Blakeが期待され、且つ早々に捨象してしまった要素が…