2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧
音色自体の新奇さは薄れ、比較的オールドスクールなシンセの音色とヴォーカルの復活も手伝って、YMO「BGM」辺りに通じるテクノ・ポップ感があるが、そのアブストラクトな構造やファジーな展開はポップと呼ぶには些かエクスペリメンタル過剰で、テクノからの…
綻びを包み隠さず弦の震えまで聴き取れるロウで時にディストーテッドなギター、決して高音質とは言えないマイクで録音された歌声や意図的にパッケージングされたサーフェス・ノイズ、スタジオの光景が眼に浮かぶような様々な物音やフィールド・レコーディン…
Juana Molinaの名前にはどうしても嘗てのアルゼンチン音響派のイメージが付き纏うが、文脈に囚われない電子音と生音のバランスや、使い古された言い方ではあるが、楽器或いは一つの音としての声の存在感にはポップに洗練される以前のJulia Holterにも通じる…
M1で前作のムードを引き摺るようなストリングスが奏でる物憂げな主旋律を引き裂く銃声は、恰も「To Pimp A Butterfly」を無効化せんとする宣言かのようだ。 続くM2ではトラップの唸るサブベースと高速ハイハットに、後半のそれこそマシンガンのようなヴォー…
何とロマンティックなオープニングだろうか。 ジャズとエレクトロニック・ミュージックのバランスはFloating Points「Elaenia」を彷彿とさせるが、ピアノやストリングス等の生楽器と電子ノイズやシンセ・シーケンスが混濁した幽玄な音像は「Elaenia」の驚異…