2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Brockhampton / Roadrunner: New Light, New Machine

Danny Brownを迎えたM1は、多様な声色とユニゾンが賑やかで楽しく、ポッセ・カットの魅力に溢れている。アブストラクトでバウンシーなトラックとDanny Brownのフリーキーなラップの相性も良い。バウンシーなビートは確実に魅力の一つで、M11やM16なんかには…

Common / A Beautiful Revolution, Pt. 2

M2では5/4拍子で細かく刻まれるハットがビートにつんのめったような性急さを加えていて、少しアフロビート風だと思いながら聴いていたら、続くM3ではSeun Kutiを招聘して真正のアフロビートが披露され、そこに載っかる少しオールドスクールな感じのタイトな…

The Bug / Fire

地を這うようなベースの重低音と扇情的なビープ音、散弾銃の如きビートと強迫的なスポークン・ワード、或いは獰猛なラガ/グライムMC、そしてそれらが渾然一体となって醸し出すディストピックなサウンドスケープ。The Bug名義では7年振りだというのに冒頭か…

Benny The Butcher & Harry Fraud / The Plugs I Met 2

ラップに歌うようなフロウは皆無で、今やすっかり主流になった凡百のポップ・ラッパーとは一線画す、硬派な声色とオフビート気味のフロウから正統派のヒップホッパーといった印象を受ける。近年のラッパーでその佇まいが最も近いのはFreddie Gibbsだろうか。…

Low / Hey What

昨今のLowの再浮上の理由が良く解っていなかったのだが、本作の冒頭で成程と腑に落ちるものがあった。ノイジーで且つシンフォニックでもあるそのカオティックなイントロダクションはBon Iver「22, A Million」「I,I」と同質のもので、嘗てのスローコアの面影…

Little Simz / Sometimes I Might Be Introvert

ファンタジー大作映画宛らの荘厳でシネマティックなオープニングの、些か人を喰ったような大仰さがLittle Simz&Infloのコンビらしい。まるでディズニー映画のようなインタールードからは、InfloがSault或いMichael Kiwanukaの焼き直しではなく、明らかにしっ…