2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Radiohead / The King Of Limbs

前作「In Rainbows」が、Radioheadにしては幅広い曲調を持った、ある種「OK Computer」以降の集大成的な内容だっただけに、長きに渡る彼等の冒険にも一区切りが付いて、今後は大御所らしく落ち着いてしまうのではという予想もしたものの、どうやら本作で早く…

Daedelus / Bespoke

作品毎にスタイルがころころと変わるミュージシャンというのは決して少なくないが、Radioheadが良い例であるように、彼等の多くは熱心なポップ・リスナーであり、スタイルの取捨の背景には時々のトレンドからの影響が透けて見える場合が多い。Daedelusのスタ…

野田 努 / もしもパンクがなかったら

佐々木敦がポップ・ミュージックを見限ってFaderが終わった後 気が付くと傍らに残っていたのはRemixと野田努の文章だった。 そこには目から鱗が落ちるような 音に纏わる示唆に富んだ思考の冒険こそ無かった代わりに生活者の視点があり それは革新無き、ムー…

Planet-Mu / 14 Tracks From Planet Mu

自分が初めてまともにダブステップに触れたのはPlanet-Muのコンピレーションだった。 その意味で今にして思えばMike Paradinasの「方向転換」は自分にとって結構重要な出来事だった。その後のHyperdubの5周年コンピレーションが、様々な方向へと拡散しつつあ…

Prefuse 73 / The Only She Chapters

近年のLAやグラスゴーを中心とした新しいビート・バブルとでも呼べそうな状況の中で、何処かGuillermo Scott Herrenには冷遇を受けているような印象がある。 テクノ以降のエレクトロニック・ミュージックとヒップホップの接合において、彼は紛う方無き先駆者…

Kode9 & The Spaceape / Black Sun

例えば90年代のディストーション・ギターのように、仮に時代を象徴する音色があるとすれば、00年代は間違い無くベースとリヴァーブの時代だったと言えるだろう。低音域への執着とダブ処理はダブステップのアイデンティティの一部であると同時に、ポスト・ダ…