2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Oneohtrix Point Never / Age Of

正直チェンバー・ポップというジャンルには辟易していて今最も気分でなかっただけに、OPNの新作に多様な器楽音に歌までも導入されていると聞いた際には不安が過ったものだったが、またしても良い意味で予想は裏切られた。 冒頭を飾るチェンバロを始めとして…

Arctic Monkeys / Tranquility Base Hotel + Casino

グルーヴィなベースとドラムにピアノを中心として、オルガンやハープシコード、ヴィブラフォン等のチェンバーな器楽音で装飾を加えたコンポジションはGrizzly Bearに近い感覚だが、決して破綻がある訳ではないもののそこまで演奏がテクニカルだとは思えない…

Kamasi Washington / Heaven And Earth

オーケストレーションや男女混声のコーラスが齎す荘厳でスピリチュアルなムード等は基本的に「The Epic」を踏襲しているが、ビバップやヴォーカルもののソウル・ジャズは比較的減って、代わりにパーカッシヴでシャッフルしたリズムのアフロ・キューバンや、…

Grouper / Grid Of Points

一見フォーク・ミュージック的な意匠を纏っていても、歌やギターやピアノに起因する残響が一つに溶け合う瞬間にこそ力点が置かれていたという点で、Grouperの音楽はテン年代なアンビエント/ドローンの潮流の一部として受容されてきたのだと思うが、本作には…

DJ Koze / Knock Knock

Bonobo等にも通じる叙情性と、それを帳消しにするような珍妙でファニーなノイズやSEやヴォイス・サンプルが、装飾音と呼ぶには必要以上の音量で、と言っても機能性を完全に失わせるところまではいかない絶妙なバランスで融和していて、ロマンティックだけれ…

Beach House / 7

M1の男女混声のヴォーカルとビートボックス風に淡々と刻まれるドラムが聴こえた瞬間にフラッシュバックする「Loveless」の亡霊。 M2の低周波で唸り続けるノイズ然り、勝手にチルウェイヴのバンドだとばかり思っていただけに、そのシューゲイズ的意匠には新鮮…