2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

The Flaming Lips / The Terror

2000年代のアメリカン・インディに於けるサイケデリアの繚乱の始まりを告げたのが「Race For The Prize」の銅鑼の音で、その終止符が前作「Embryonic」だったとするならば、宛ら本作は在りし日のユーフォリアに対するレクイエムのようだ。前作と同様に耳を劈…

Deerhunter / Monomania

「Halcyon Digest」、Atlas Sound「Parallax」と続いたBradford Coxのソフィスティケート志向から一転して 本作ではDeerhunterのキャリアに於いて最もオーセンティックなロックンロールが展開されている。ノイジーで目の粗いローファイな音像はPavementやSeb…

Boards Of Canada / Tomorrow's Harvest

これまでの作品にもノスタルジアの裏側に底知れぬ怖さが確かに存在したが、ドローン的な低音やマイナー調の旋律がこれまでに無かったディストピックで荒涼としたヴィジョンを喚起させる。 くぐもったシンセ音に特徴的だったアナログの質感やサンプリングの存…

Mount Kimbie / Cold Spring Fault Less Youth

Mount Kimbieのサウンドを特徴付けるアナログ・シンセの音と共に、本作のオープニングを告げるのはサクソフォンの音色で、続くM2ではエレクトロニックなビートが、R&B調のヴォーカルの高揚に伴って生ドラム主体のソウルに遷移する。 M5は前作を踏襲するよう…

Mark McGuire / Along The Way

「Just To Feel Anything」に引き続きビートが本作の基調を形成しており、同作に於けるEmeraldsの変化はやはりMark McGuireの志向によるものであったと同時に、グループの瓦解のトリガーを引いたのがこのギタリストによる変容への欲望であった事を確信した。…

James Blake / Overgrown

ファースト・アルバムの成功の後でアーティストが取り得るアプローチは、前作の意匠や方法論を継承・発展させる方法と、全面的にそれを否定・捨象しドラスティックに変化させる方法との2つに大別されると思う。 何れにもそれぞれにリスクが伴うのは明白で、…

Autechre / Exai

耳障りな電子ノイズや硬質でインダストリアルでファットなビートは「Tri Repetae」や「Chiastic Slide」を彷彿とさせ、ポスト・インダストリアルと図らずもリンクしてしまったかのような印象を受ける。 同時に本作には「Amber」のアンビエンスが、「Confield…