2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Danny Brown / Uknowhatimsayin¿

立ち上がりこそダウナーだが、エキセントリックなM3で漸くギアが入る。総じて地味な印象だが、幾つかのキラートラックがアルバムのポップネスを支えており、特にM7~M9の流れは白眉。「Atrocity Exhibition」の得も言われぬドラッギーなフリーキーさは減退し…

Kano / Hoodies All Summer

シネマティックなストリングスとピッチアップされた高音のヴォーカル・チョップに疎らなビートが絡むM1に始まり、M2やM7を加えた、ベースがすっぽりと抜け落ちたような正にウェイトレスなトラックと、その上に乗っかるKendrick LamarとEminemの中間を行くよ…

Michael Kiwanuka / Kiwanuka

M2の捏造されたレトロなグラムロック風は、同じくDanger MouseプロデュースのBeck「Modern Guilt」を彷彿とさせる。乾いた生ドラムの音色や密室感のあるくぐもった音像はLittle Simz「Grey Area」にも通じるが、これはInfloの作家性によるものだろうか。但し…

Kim Gordon / No Home Record

M1のインダストリアルなビートは宛らAlec Empireのようだが、意外にも全く違和感は無く、寧ろKim Gordonの無調のヴォーカルに自然とフィットしている。M5の4/4のビートとエコーの掛かったヴォーカルや、重たいサブベースのリフの上で、只管スポークンワード…

Bon Iver / I, I

声もバンジョー(のようなギター?)も徹底的にエフェクトで歪曲され、どの音も断片的で継ぎ接ぎのようなM1のオープニングは最早James Blakeと言うよりも完全にOPNに接近している。前作では未だ色濃く残っていたトラディショナルなコンポジションは、本作の…

Floating Points / Crush

激しく明滅するM1のストリングスの、そのアイデア自体も素晴らしいが、生音を決して単なる生音として聴かせないとでもいうような音響への拘泥も相変わらず。一音一音が鮮烈で、細部に渡り一切の手抜きは無く、集中力の高さや几帳面で丁寧な人柄を窺わせる。…