2021-01-01から1年間の記事一覧

Carly Rae Jepsen / Dedicated Side B

品の無いイーヴン・キックや芝居掛かった歌唱がチージーを通り越して陳腐極まりないM1のダンス・ポップは耐えがたい程に恥ずかしくとても聴いていられない。Madonnaを彷彿とさせる軽薄な歌声が好みでないのは確かだが、それ以上に全く論理的に説明の付かない…

Bill Callahan / Gold Record

ボリューム・レベルが大き目だというのは勿論あるだろうけれども、それにしても耳元で囁かれているかのようなバリトン・ヴォイスの低音の響きが改めて凄い。微かに身体の芯を震わすようでいながら、あくまでジェントルで魅惑的な心地良さがある。この声で揚…

21 Savage & Metro Boomin / Savage Mode II

シアトリカルなピアノやシンプルなシンセのループが然したる展開も無く鬱々と続くバック・トラックは単調で、大したヴァリエーションも無く聴きどころに乏しい。21 Savageのマンブル・ラップはフロウも平坦で声色にも面白味は無く総じて退屈で、やはり本作の…

The Avalanches / We Will Always Love You

船酔いしそうなほどドラッギーで時折アッパーですらあった前作よりチルアウトして、「Since I Left You」に近い本来のドリーミーさが戻ってきた。各曲がシームレスに繋がる展開は前作と同様だが、よりスムースでDJミックス的で、故に無難で新鮮味に欠けると…

Grimes / Miss Anthropocene

冒頭の2曲はトリップ・ホップ風で、リヴァービーな音像と唸るサブベースの重低音がKevin Martinの諸作、特にKing Midas Soundと、GrouperやInga Copelandがヴォーカルを務めたThe Bugの「Angels & Devils」を思わせる。何処かファルセット主体の歌声にはFKA …

A. G. Cook / Apple

アコースティック・ギターをウォブル・ベースとオートチューンで装飾したバラードは、控え目に言っても陳腐で退屈。A. G. Cook自身が全面的にプロデュースしたCharli XCX「Charli」と同質の冗長さがあり、やはりこいつが戦犯であったかと悪態の一つも吐きた…

Nubya Garcia / Source

どの曲も反復するベース・ラインが基盤となっており、特にM1のサブベース的なそれはダウンビートで打ち込まれるスネアと合わせて、ヒップホップが血肉化したコンテンポラリー・ジャズの印象を強く与える。過去にはバンド・メンバーとしてフィーチャーされた…