Vol.1が現在のビートシーンを集約した内容だとすると、このVol.2はそこから零れ落ちた音をコンパイルしたような印象を受ける。
序盤のThe Cinematic OrchestraやJaga JazzistによるモダンジャズやBonoboによるNinja Tune伝統のジャジーブレイクスこそ従来のレーベルカラーに近い内容だと言えるが、中盤以降に目立つ幾つかの挑戦的なリミックスワークでは、Gaslamp KillerがDJ Vadimのリミックスでアブストラクトをモダンなビートにアップデートし、AutechreによるThe Bugのリミックスではエレクトロニカとダブステップの接続が試みられ、Four TetのAntipop Consortiumのリミックスにはエクスペリメンタル・ヒップホップとフォークトロニカの出逢いがある。
全体的な統一感は無くとっ散らかった印象すらあり、Vol.1のような時流に寄り添う感覚も希薄だが、ここでは器楽音と電子音とが、ジャズとロックとテクノとハウスとダブとヒップホップとが、サイケデリックとレイヴとアンビエントとが、脈絡無く放り込まれ混ぜ合せられて各々の境界線を曖昧にしている。
そこから立ち現われてくるのはミックスの実践の場としてのレーベルの姿であり、Vol.1よりも余程Ninja Tuneらしいコンピレーションだと思う。