Seefeel / Seefeel

Boredomsの最盛期を支えたドラマーの一人であるE-daが、このWarp古参のアンビエント・バンドに加入したというニュースには驚いたが、余りに退屈で直ぐに売ってしまったソロアルバムでのアンビエントには、確かにSeefeelのサウンドと通じる部分があったような気もする。

BroadcastがWarp Records初のバンドという宣伝文句と共に登場した(と記憶している)事は、長らくこのバンドが忘れ去られた存在であった事の証拠でもあるだろう。
このタイミングでの復活は、一昨年のWarp20周年イベントでのパフォーマンスがきっかけとの事だが、どうしたって昨今のサイケデリア熱が追い風になった印象は拭えない。

かつてMy Bloody ValentineミーツAphex Twinと称されたそのサウンドには確かに強烈な逃避感覚があるが、一方で何処か厳粛な雰囲気もあり、襟を正して混濁する感じ…とでも言うか。
無機質なギターノイズやウォブリーなシンセ音にダビーなベースライン等の要素が、時間を掛けながら歯車を噛み合わせたり瓦解したりを繰り返す様は非常にスリリングで、ここでも2010年代におけるクラウトロック・リヴァイヴァルの波を感じずには居られない。

もしもDeerhunterが幾つかの方向性から、The Velvet Undergroundの方ではなくCanの方を選択していたならば、などという妄想が思わず頭を過る。