2017-01-01から1年間の記事一覧

David Bowie / Black Star

あるアーティストの初めてまともに聴く新譜が遺作であるという経験は、振り返ってみると「In Utero」以来の事かも知れず、1993年と同様に間接的にではあれ、アーティスト自身の死が購入の動機となったのは否めないが、つい最近録音された作品であるにも関わ…

Sleigh Bells / Jessica Rabbit

ファットなビートはそのままに、ディストーションはよりクリアになり、バブルガム・ポップばりの歯が浮きそうなほど甘ったるいメロディが前面に出て、気恥ずかしくなるほど明け透けにポップに振り切れた。 過剰なキックの音圧もメタリックなギターリフも、ア…

NxWorries / Yes Lawd!

期待していた程ラップの比重は高くなく「Malibu」と同等かやや多い位。 M9やM10、M13等は明確にラップと呼んで差し支えないが、それでも言葉数を削り抑揚に富んだフロウと歌の境界線は限りなく曖昧で、サンプリングへの依存度が高いトラック自体はヒップホッ…

A Tribe Called Quest / We Got It From Here…Thank You 4 Your Service

冒頭を飾る籠ったオルガンのフレーズは、「The Low End Theory」冒頭のあのベースライン並みにシンボリック。 その胸を騒つかせる独特のコード感に、コーラスを彩るジャジーなギターの質感は、予想以上に紛れもなく誰もが待ち侘び期待したであろうATCQそのも…

De La Soul / And The Anonymous Nobody

Jill Scottが先導する、らしくない荘厳なストリングスと生ドラムのビートで幕を開けるアルバムは、その後もオーケストラをフィーチャーしたスピリチュアル・ジャズ風のM5やM12、Queenみたいな大仰なハードロック調のM7等、生音を中心に進行し、極め付けはDam…

Samiyam / Animals Have Feelings

繋ぎ目を敢えて強調するような歪なループ感に、クォンタイズをまるで無視した手グセが残る隙間だらけのラフなビート、短いトラックがシームレスにミックスされたビート集的な佇まい等、どれを取ってもJ DillaやMadlibを彷彿させるという点で 、Stones Throw…

Deerhoof / The Magic

ロウで爆発力のあるファズ・ギターやベース・ヴォーカル故のボトムの隙間が産むグルーヴに、ジャパニーズ・イングリッシュのチャイルディッシュなヴォーカル、手数足数の多い躁的なドラミングとストラクチュアルなコンポジション、特段いつもと変わった事を…