Madlib / Medicine Show #4: 420 Chalice Allstars

Kool Hercがジャマイカからの移民だった事実は、ヒップホップとジャマイカン・ミュージックの間にある連続性の根拠の一つであるようだが、確かに反復性と低音域(特にベース)が曲の基幹を成す点等は、ヒップホップがレゲエ/ダブから継承した要素かも知れない。

というような事を考えたのも、このMadlibによるジャマイカン・ミュージックのトラック集が余りにも自然にMadlibの音楽として聴こえるからで、思えばダブという手法の持つ極端さや珍妙さは、そっくりそのままMadlibのトラックに言い当て嵌まり、そう言えばジャケットはLee Perryへのオマージュであるし、その影響はかなり大きいのだろう。

そうは言ってもそこはMadlibで、オーセンティックなレゲエと比べるとかなり破天荒な音楽ではある。
Madlibが1トラックを作る時間は5分と掛らないそうだが、その音楽がある種の偶然性に支えられている事は疑いようが無い。
思いつくまま乱暴な手付きで臆する事無く、音を重ねツマミを捻る事、その冒険がLAという場所で切り開いた道は、間違い無くFlying Lotus等の新世代に繋がっている。