Electraglide Presents Warp20 Tokyo


Hudson Mohawke
基本アルバム「Butter」収録曲の再現だったが、ライブで聴くと同じ曲でも結構違う印象だった。
CDだと音のバランスやエディットのタイミングに何とも聞き流せない良い意味でフリークアウトした感覚が耳に残ったのだけれど、ライブではとにかく太いキックの鳴りと上モノのアンビエンスが印象的。

CDでもライブでもそうだけど、簡単な解釈やマッピングを許さない感じがこの人の音にはあって、そこが実にWarpっぽい。

Battles
この時点でもう相当に眠かったのだけど、あんまり乗り切れなかったのが体調のせいだけかというとそれも違う気がする。

「Mirrored」を初めて聴いた時のような、または2007年のフジロックでのライブのような、耳がギョっとする瞬間は殆ど無く、睡魔に勝てるような興奮も無いまま時間は経過。

ベースの倍音が終始ボワボワと響き、ドラムを除く他の音がイマイチ不明瞭で聴き取り辛かった事と、各種エフェクトも心なしか弱かったような気がして、結果的にかなり「普通の」ロックにしか聴こえなかった。

緻密なポストプロダクションとハードコア的なダイナミズムのバランスがこのバンドのサウンドの最大の魅力であって、そもそもライブバンドとしては辛いものかも知れないな。
というのが率直な感想。

Flying Lotus
睡魔は一向に収まらずだったが、それでもやはりこのビートは上がる。
音がデカければデカいほど!

自身の音源にLow And Theory周辺のビーツやダブステップなどを独特のコズミックなエフェクトで料理していく展開はやはり絶妙。
初来日時のように終始マイクパフォーマンスで客を煽る場面は無かったが、突如Squarepusherを挟む辺りに相変わらずのサービス精神と洒脱なセンスを感じた。

悪い意味では無いが決して腰には来ないHudson Mohawkeのビートと比べると、ダブステップと相通じるベースミュージックとしての強度もあり、やはりこの音はヒップホップの進化の直線上にあるのだなと身体で実感。

LFO
で、そんな超ヤバいFlying Lotusに後ろ髪引かれないほど楽しみだった初LFO
結果的に誰よりも覚醒した!全然眠くなかった!

最初からLFOのイメージよりも数%ほどBPM速めのハードコアスタイルでほぼ最後まで押し切り、その間ほとんど体も揺らすことなく淡々とラップトップを凝視するマーク・ベルの格好良さときたら!

ミニマリズムとサイケデリアとナスティさがモードの現行シーンで、そのいずれにも属さないこのサウンドは今こそ正に有効な気がするのだが。
事実この日一番耳が興奮した音はこのWarp再古参アーティストが出す音だったし。

とにかくは、今足りないのはテクノだなと、そんな事を考えた久々のエレグラだった。