Air / Love2

「次はもういいや」と思いつつ、新譜が出るとついつい購入してしまい、聴くとそれなりに満足してしまう、そんなミュージシャンが結構居る。
Airも自分にとってそのようなミュージシャンで、本作もその余りにダサいジャケとタイトルに怯みつつも、結局それなりに楽しめている自分が居るのだった。

驚きや興奮とは無縁で、革新性からは程遠い音楽。
この音に関して考えを巡らせても、殆ど言葉など出て来やしない。
別にそんな音楽があってもいいだろう。

変化が無い訳ではない。
近年の作品の顕著だった静謐さや優雅さへの志向は減退し、エレクトロニクスの比重が増え、声は歌としてよりも楽器的に使用されている。
まるで「Moon Safari」の頃を思わせる、久々の「ラウンジ感」がある。

本作はAirにとっての初のセルフプロデュース作品との事でその事が要因になっているのかも知れない。
自然にやれる事を丁寧にやった、そんな感じだろうか。

話は戻るが、それにしたってこのジャケはどうにかならなかったのだろうか。
どうせ原点回帰するのなら、もう一度マイク・ミルズと組めば良かったのに。
まぁ何にせよ、多分次は買わないだろうけども。