Max Tundra Japan Tour 2010


所謂エレクトロニカ系のライブでは
Macと向き合うミュージシャンの姿をじっと眺める観客という光景がよく見られる。
身体性を欠いたその光景に、「ライブの必要性があるのか?」という批判は良く聞くが
ミュージシャン本人を見る
というミーハーな目的以外に意義があるのかはよく分からない。


しかしCDのセールスが全世界的に落ち込み
ミュージシャンがツアーに出なければ稼げない現状は益々加速していて
自分一人くらいがライブに行かなかったところで影響がある筈もないけれど
ライブに行く事が、間接的にそのミュージシャンの次作に繋がれば
という気持ちも無くはない。


ある程度予想は付いたものの
Max Tundraのステージングはその予想を上回るエンタテインメントで
歌って、踊って、弾いて、吹いて
その姿はエレクトロニカの脱身体性とはおよそかけ離れたものだった。


今となっては信憑性は怪しいが、Max Tundraの名をよく聞くようになった頃
彼はトラックの運転手で、運転中に歌う為にトラックを作り始めた
という話があって、自分はこの話がとても好きだった。
その極めて個人的なモチベーションで作られた音楽が
遥か離れたこの日本でオーディエンスを笑わせ、興奮させる光景には
不覚ながら少し感動させられるものがあった。