Omar Rodriguez Lopez / Xenophanes

良くもまぁ大して代わり映えしない作品をこれだけ量産出来るものだと感心する。
過去の作品と比較すると、構成や展開は至ってオーソドックスだし、音響的に凝った箇所も殆ど聴かれないし、代名詞である変拍子ですら全くと言って良い程目立たない。
そのような変化は認められるにも関わらず、全体的な印象としては一貫して相変わらずのOmar Rodriguez Lopezのサウンドだとしか表現のしようが無い。

コンセプトが大好きな人だけに、今作ではパートナーであるCedric Bixier-Zavalasを参加させず、自分で(しかもスペイン語で)歌うというのがテーマであるようだ。
しかしその歌い方が驚くほどCedricに酷似しており、結果的にOmarのコントロールフリークっぷりを露にする。
At The Drive-InからThe Mars VoltaになってからのCedricの歌唱法が劇的に変化した理由が良く解る。)

毎回のコンセプト設定に関わらず、結果としてのサウンドは決して自分の音楽性を逸脱する事が無い。
それだけ強固な作家性の持ち主だとも言えるが、同時に大いなるマンネリズムも感じなくはない。

個人的に冒頭の極めてオールドスクールな音響作品(と言うかコラージュ)が最も楽しめたりして、どうせ数打つのであればノンビートのコラージュのみで一枚創るくらいの冒険は欲しいものだ。