Fuji Rock Festival '10 7/30 Fri




Rusko


2008年のフジロック最終日、タイムテーブルにPinchの名前を見付け
興奮気味にクリスタルパレスに向かったところ
「大阪から来ましたDJピンチでーす」と陽気な日本人が現れて
スカだかレゲエだかを回し始めた、という苦い記憶がある。
(その前がSheena & The Rokketsのライブだった時点で
何かおかしいと気が付くべきだったのだが…。)


同じ年のソナー・フェスティヴァルではMary Anne Hobbsの画策によって
ダブステップとLAのLow And Theory周辺のビートシーンに関するステージが設けられ
MalaやShackletonがFlying Lotusらと交流を深め合っていた事を考えると
その大阪のDJにせめて「From Japan」くらいの注釈も付けられなかった
フジロックの時代認識の弱さが実に悲しい。


まぁそんな事もあって今回のRuskoが
フジロックにとって初めてのダブステップ・アーティストとなった。
(Ruskoの次に出演したMagnetic Manについては
それがSkreamとBengaのユニットだと知らず見逃してしまった…。)
アッパーなパフォーマンスといい、性急なミックスといい
Diploのエピゴーネンそのもので
要するにダブステップとしては紛い物には違いなかったが
それでも大音量で体感する低音の重圧は凄まじく
やはりダブステップが本来フロアライクな音楽である事を実感出来た。


フェスティヴァルの解放感(と酒の力)も手伝ってか
Ruskoならではの下世話なセンスも良い方向に作用して
いつも間にか完璧に高揚させられてしまい
この夜以来Dirty ProjectorsのAmber Coffmanが歌う
「Hold On」はちょっとした夏のアンセム化しつつある。