Red Hot Chili Peppers / Unlimited Love

John Fruscianteが出て行こうが帰って来ようが何も変わらない。
正直言ってもう飽き飽き。
世間の評価程には「Californication」が良いとは今でも思えないが、最初からメロウ路線が気に入らなかった訳でもない。
歌物としての成熟と洗練を極めた「By The Way」と、バランス面での完成形と言える「Stadium Arcadium」まではそれなりに変化を楽しめたが、それ以降は同じ事を繰り返しているとしか思えず、2022年に聴く価値があるとは全く思えない。

とは言えM3を始め心無しかFleaのベースを前面に押し出したミキシングも多く、M5等ではAnthony Kiedisのラップ調のヴォーカルも聴け「Blood Sugar Sex Magik」を彷彿とさせなくもないが、それもコーラスに至るまでの話。
そのヴァースはファンクでコーラスはメロウという展開が「Dani California」で確立された方程式をなぞっているだけに思えて仕方が無い。

折角John Fruscianteが戻ってきたのだから、ソロ・ワークからのフィードバックがもう少しあっても良さそうなものだが、取って付けたようなエフェクト程度でソング・ストラクチャ自体に影響を及ぼすような要素は皆無。
メンバーの誰かに余程エレクトロニック・ミュージック嫌悪があるに違いない(多分 Anthony)。

John Fruscianteの居ない13年(!)の間にたった2枚のアルバムしか残せなかったバンドが2022年だけで2枚、しかも両方17曲70分オーバーという異常な多作振りを見せているのは余程Johnの帰還が嬉しいのであろう。
微笑ましくあると同時に、AnthonyもFleaも今年で還暦(!)を迎える事を考えると、その純情さに気恥ずかしいような、居た堪れないような気分にもなる。