Johnny Marr / Fever Dreams Pts 1 - 4

まさか冒頭からElectronic路線が来るとは予想だにしていなかった。
と言うか正直言ってM1のイントロを聴くまでそのバンドの存在すら忘れていた。
これが当然身悶えする程古臭く、ちょっと笑えてくる程。
作った本人にとっては例え不本意だとしても、笑えるという事は音楽に於いても決して悪い事ではない。

M2以降は殆どがシンセで仄かに味付けされた程度の極々普通のギター・ロックで笑えさえしない。
勿論充分過ぎる程にいなたくはあるし、決してオリジナリティがあるとも思えないが、妙に耳に残るコード感やポップなメロディの魅力には一概に否定し難いところもあり、流石はThe Smithsのメイン・ソングライターだと関心させられなくもない。

と言ってもセンチメンタルで甘酸っぱいM10や疾走感溢れるM15等の例外を除いては、直接的にThe Smithsを彷彿とさせる曲が然程多くある訳でもなく、特に中盤までは終始威勢の良いディストーション・ギターが幅を効かせたオルタナティヴ・ロック調が大半で、EPの寄せ集めだけあって緩急も糞もあったものではない。

シンガーとしては上手くも下手くそでもないが、まぁ大した魅力が無いのも確か。
とは言え繊細な感じがLee Ranaldoに通じなくもないし、初期のR.E.M.と言うか「Radio Free Europe」みたいなM11ではPeter Buckを彷彿とさせ、結論としては決して嫌いではないが、やはりMorrisseyやMichael Stipeが偉大なシンガーなのだなと実感せずにはいられない。