Scott Walker + Sunn O))) / Soused

Sunn O)))の名にまるで相応しからぬ高らかで大仰極まりないテノールと、煌びやかなシンセサイザーで幕を開けたかと思えば、すぐにディストーション地獄に突き落とされる。

拷問をイメージさせる、鞭打つような音に地鳴りのような低音域の胎動、悲鳴のようなクラリネットや呻き声を思わせるフィードバック、それらの音が想起させる世界観は如何にもメタルで、そのドゥーム・オペラとでも呼べそうな趣きが冗談臭くもあり、何処か笑いを誘発するのは、シリアス一辺倒なKTLと較べると組合せの妙としか言いようが無い。

基本的にはワンアイデアの企画物の印象だが、多彩な器楽音やノイズのヴァリエーションの豊富さによって意外にも冗長さは余り感じられない。
M3以降のドラムの投入は意外な程ストレートにロック的で、ポスト・クラシカルな方向性に突き進むかに思われたSunn O)))関連の作品にしてはポップさが際立っている。

何よりも清々しくもあるのは、一際フックとなっているのがある意味懐かしささえ齎すヘヴィなギターリフであるという点で、これ程ディストーションやフィードバックに耳を澄ますのは一体何時振りだろうか。